「まちのみやげ・中央線あるあるスパイス」がまもなく完成!(荻窪編)

夏からスタートした中央線4駅にちなんだスパイスづくりも、まもなく3ヶ月。「まだかな、まだかな」と待ち焦がれる編集スタッフのもとにもうすぐ完成! の吉報がやって来ました。さらに、地元のデザイナーとのコラボレーションで、昔ながらの七味缶がちょっとおしゃれに完成です。初回は現在進行中の開発秘話も含め、荻窪から紹介します。

旅人の木・藤田優彦が手がける「荻窪サイアム七味」

荻窪で人気のラーメン店「旅人の木」店主の藤田は、大学3年生のときに一人旅で訪れたタイに魅せられて以来10数回もタイを訪れるほどのタイ通だ。確かに店頭の「OPEN」の看板にもタイ語がある。一般的に知られるタイ料理ではなく東北地方のイサーン料理が好きだという。

「タイは何度も訪れた好きな国なんですが、なぜかパクチーやトムヤムクンは、ちょっと苦手なんです。でもイサーン地方のソムタム(青パパイヤのサラダ)や、ガイヤーン(鶏の炭火焼き)、中華風っぽいスパイシーなタイ料理は、自分の好みにあって・・・」。

そんな藤田がブレンドしたのが「荻窪サイアム七味」。タイの旧国名も「Siam(シャム)」であるし、エアラインや有名ショッピングモールなどタイの様々なものに多くの「サイアム」という言葉が使われていることが多いので、何となくそこから名付けたという。

50種におよぶ試作 なやむ藤田の選択

試作缶の蓋に貼られた数字は試作回数だ。最後の缶は50にも及んだということから藤田の苦悩と追求の姿勢がうかがえる。

「そもそもラーメン屋ならではの七味にするか、ラーメンの枠を越えたスパイスを作るか。それで悩みました。本来だったら鰹などラーメンのスープに使う素材を生かしたふりかけ的なものがよいのか、とも思いましたが、色々試行錯誤するうちに、ラーメンにとらわれず色々なものに使ってみたくなるスパイスを作ろうと考えたんです」。

そこで身近なタイの香りを思いうかべながら、優れた嗅覚と味覚で完成したのが39号と44号だ。39号はレモングラス、コブミカンの葉、日本の唐辛子など8種をブレンドしたもので、シャープな味わいながら複雑に絡み合うハーブの香りが印象的だ。ステーキのスパイス、フライドチキンの下味、麺類に使ってみたくなるすっきりした味わいで、旅人の木の「ピリ辛醤油ラーメン」にもぴったりだそうだ。一方44号は39号に甘みを加えたことから奥行きが深まり自立したスパイスとなっている。タイ、インドネシアあたりでよく使われているコブミカンに、タイの辛子、ガーリック、レモングラスなど8種をブレンドしている。麺類、米料理、サラダなど日頃の料理をワンランク上に変身させてくれそうなスパイスだ。コブミカンは、現在健康的な効果が期待されている注目の食材でもある。

「どちらも捨てがたく悩んでいますが、製造までに、いずれかをブラッシュアップして完成させます」という。11月の発売で藤田が世に送り出すスパイスは、さらなる進化形かもしれない。

「荻窪サイアム七味」は完売しました。

缶のマークデザインを手がける高橋さんと

缶のマークデザインを手がける高橋さんと

各街のスパイス

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※本記事に掲載している情報は2017年10月06日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。