プライベート感のあるまち、西荻窪

ホリエアツシさんと杉並区内のJR中央線沿線(高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪)エリアを歩くシリーズ。最終回はホリエさんが「一番なじみがある」という西荻窪をご紹介します。「とにかく店探しが楽しい」と、長年通う達人をも飽きさせない街。皆さんも寒さに負けず歩いてみませんか。お出掛けの際は感染対策をお忘れなく!

ホリエアツシさん
1998年結成の4人組ロックバンド、ストレイテナーのボーカル・ギター・ピアノ。12月2日に11作目となるニューアルバム『Applause』を発表。2021年1月からは全国8カ所を廻るアルバムツアーを予定。

寛容な人たちが醸すのどかさ

西荻窪には2号店が多い!?

杉並区の中央線4駅の中では、西荻窪が一番長く通っているし、歩き込んでますね。南口の「三ツ矢酒店」は、若い頃帰省するとき親父への手土産に日本酒を買ったこともあります。今回改めてお話を聞いたら100年近い歴史があるんですね。街はずいぶん変わったでしょうね。「そりゃ~変わったよ!」と笑い飛ばす二代目の朗らかな声が印象的でした。
その近くに、今年の4月オープンした店「シュウマイルンバ」。緊急事態宣言中はテイクアウトのみで乗り越え、6月から店内飲食をスタートしたそう。店名にシュウマイを冠してる店ってないですよね。も~、ピン!と来ちゃって、すぐに友人たちと飲みに行きシュウマイの旨さに目覚めました。北口の居酒屋「テンセイ」の2号店だとオーナーから聞いて、共通する昭和レトロ感に納得!
2号店といえば、北口で何度か行ったことのある立ち飲みバーの2号店ができたと友人に聞き、今回絶対行ってみたかった「サレサイドサカエ」。オーナーといろいろお話をしていたら、同世代で西荻窪歴もほぼ同時期ということがわかりました。もしかしたら若い頃どこかですれ違っていたかもしれない。「好き過ぎて本当は西荻窪では店をやりたくなかった」というオーナー。わかります、それ。好きな街を仕事の街にしたくないですよね(笑)。

おすすめは骨董通りから善福寺公園

西荻窪には大きな商業ビルがないから空が広くて気持ちがいいし、ユニークな個人商店を探すのが楽しい。北口の伏見通りにドライフラワーだらけの花屋さんを発見。僕らのバンドのニューアルバムに「Dry Flower」という収録曲があって、気になったので行ってみました。ドライフラワーに囲まれた異空間の奥で、オーナーが作っていた小さなクリスマスツリーを衝動買い。
骨董通りの途中で、以前ガラスの器を買った雑貨屋さん「DEEKA」を再訪。「シンプルで使いやすいモノをセレクトしている」とオーナー。盛り付けたくなる器ばかりで全部欲しくなりますね。
骨董通りから善福寺公園が僕のおすすめ散歩コースですが、今回は東の方に足を延ばし、「アニメーションミュージアム」へ行ってみました。全力でアフレコ体験してきましたよ。
古い建物や昔ながらの店と新しい店が共存する西荻窪は、古くから暮らす人たちが寛容だから、若い人も夢を叶えやすいのかな。この街で暮らす人、店を営む人、僕みたいにこの街が好きで何度も訪れる人、誰もが自分の街と思えるプライベート感が西荻窪にはありますよね。

2020特別座談会

骨董と古本の街ニシオギはずっと昔からサステナブル


左から広瀬洋一さん、山本利幸さん、ホリエアツシさん、寺山和弘さん。「西荻骨董好きまつり」の会場である「井荻会館」にて

毎年春と秋に開催される「西荻骨董好きまつり」も、今年は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。「生活骨董 駱駝」の山本利幸さん、「トライフル」の寺山和弘さん、そして「古書 音羽館」の広瀬洋一さんに、ホリエアツシさんが骨董の街・西荻窪の歴史や魅力を聞きました。(以下、敬称略)

70年以上の歴史 西荻骨董文化

ホリエ:西荻窪が骨董の街といわれるようになったのはいつ頃ですか?

山本:このあたりは立派なお屋敷が多く、戦後良い道具が放出され古道具屋が集まったそうです。

ホリエ:山本さんのお店は何年目ですか?

山本:34年です。もともとステンドグラスを作っていたので、ガラスや建具を主に扱っています。

ホリエ:寺山さんは時計がご専門?

寺山:古いモノが好きで、いろんな街の古道具屋さんを巡り、時計士さんたちの話を聞くうちに魅せられて。店を初めて17年目です。

ホリエ:僕は20年くらい杉並区に住んでいるので「音羽館」さんがオープンしたての頃に行ったことがあります。

広瀬:2000年の夏ですね。それから古本屋も増えて15軒ほどあったのが、今は半分くらいかな。

山本:「西荻アンティークマップ」の最新版は48店舗、ピーク時は68だから載せきれないくらい。

広瀬:「夜の神保町」なんて言われたこともあります。一番遅い古書店は中央線の終電までやっていたので。

ホリエ:そうですよね!西荻で友達と飲んだあと古本屋に行くパターン、結構ありました。

趣味人がふらっと 「また来てみたよ」

山本:最近は個性的な店がまた増えたね。古本とビールとか。

ホリエ:間口がひとつじゃない方が入りやすいですよね。

寺山:同業者が増えるのはありがたい。そういう街になることで、人が来てくれますから。

ホリエ:コロナの影響はありますか?

山本:「西荻骨董好きまつり」が開催できなかったのはつらかった。室内でできないなら街なかで開催できないか考え始めているところです。

寺山:ネットではできないことを工夫しながら。

山本:修理の需要は増えたね。

広瀬:本の買い取りも増えました。

山本:古いモノを売ったり、壊れたものを直したりできる街だってことも知ってほしい。

広瀬:不要なものを買い取って必要とする方に届ける。「持続可能性」を淡々とやってる街。

ホリエ:昔からサステナブル!

山本:骨董が趣味の人たちが「また来てみたよ」っていう街であり続けたいね。

ホリエ:散歩して気分が良くなる理想の街です。「駱駝」さんのショーウインドーの切子、いつも見てるんですよ。

山本:中に入ってよ、買ってとは言わないから(笑)。

西荻窪&ホリエさんからプレゼントいただきました!

抽選で合計8名に当たる!

①うつわと雑貨 DEEKA コットン トートバッグ
オーナーがロンドンとブリュッセルで買い付けたお洒落な“マルシェバッグ”の中から、ホリエさんが本気で3点セレクト。どんな柄が当たるかはお楽しみ。

②ホリエアツシさんサイン入り 西荻窪オリジナルポストカード
今回の西荻窪まち歩き取材で掲載されなかった写真を特別にポストカードにしました。3枚セットで。

応募方法
ハガキ ①希望商品番号②郵便番号・住所③氏名④年齢⑤性別⑥電話番号⑦上の地図で紹介した6つのお店の中で行ってみたいお店すべて⑧この紙面の感想を明記し、〒100-8502(住所不要)東京新聞広告二部「西荻窪プレゼント」係まで
FAX ハガキと同じ必要事項をご記入の上、03-3502-7227 東京新聞広告二部「西荻窪プレゼント」係まで
インターネット 東京新聞HP内からお申し込み
https://adv.chunichi.co.jp/chuosen-rr/
締切 2021年1月12日(火)必着
当選発表 賞品の発送をもってかえさせていただきます。
なお、いただいた個人情報は、賞品の発送にのみ使用いたします。

日本のアニメ文化が総合的にわかる!

日本アニメの歴史や制作過程、原理など、子どもから大人まで楽しめる充実のコンテンツ。アニメ制作体験ができるワークショップスペースやアフレコ体験コーナーも。館長は藤子漫画の「小池さん」のモデル!

※区内5カ所に設置された『なみすけマンホール蓋』を撮影してきた方に1つプレゼント。キーホルダーがなくなり次第、配布終了。

① 東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム1
住所 杉並区上荻3-29-5 杉並会館3階
電話 03-3396-1510
営業時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 〈入館料〉無料

“お気に入り”が見つかる雑貨屋さん

コンセプトは“日々の静かなここちよさを楽しむためのもの”。グラフィックデザイナーでもある女性オーナーが自ら買い付けた作家モノの器や雑貨が並ぶ。ホリエさんはリネンのクロスを購入。「ティータオルというカルチャー」。

② うつわと雑貨 DEEKA(ディーカ)
住所 杉並区西荻北4-35-5
電話 090-2334-3226
営業時間 13:00~18:00
定休日 火・水曜日(その他夏季・年末年始・買い付け等で休みの場合あり)

ドライフラワーに囲まれた異世界

入り口をくぐると圧倒的な数と種類のドライフラワー。「ちょっと毒っ気やエロスを感じる植物が好き」と言うオーナーが創造する独特の世界観に「一歩店に入るだけでテンションが上がる!」とホリエさんも大興奮。

③ blue water flowers
住所 杉並区西荻北3-16-2
電話 03-3394-1438
営業時間 10:30〜19:00
定休日 木曜、臨時休業あり

北口から“サササ”っと行ける立ち飲みバー

西荻窪で人気の立ち飲み「サレカマネ」の2号店として今年2月にオープン。1号店の人気メニューほかオリジナルメニューも。「1号店のサワーはアルコール度がゲキ高だけど、こっちはやさしいっすね」とホリエさん。

④ サレサイドサカエ
住所 杉並区西荻北3-20-8
電話 03-6915-0851
営業時間 平日17:00~24:00
土・祝16:00~24:00
日曜16:00~22:00
定休日 火曜日

店もシュウマイも熱々の手作り!

北口の居酒屋「テンセイ」の2号店。昭和レトロ好きなオーナーと仲間たちがDIYで仕上げた店はぬくもりたっぷり。来店2回目のホリエさんは「ここのシュウマイを食べて、餃子よりシュウマイが好きと気付きました」。

⑤ シュウマイルンバ
住所 杉並区西荻南3-8-19
電話 03-3247-8170
営業時間 平日17:00~24:00
土・日12:00~15:00/17:00~23:00
定休日 月曜日

西荻窪で創業94年の酒屋さん

大正15年創業。二代目と三代目が共に店に立つ。20年前に建て直した現店舗2階には貸しスペースがあり地域の交流の場にも。日本酒の品揃えは全国から常時約300銘柄!「何を買おう」とニヤニヤが止まらないホリエさん。

⑥ 三ツ矢酒店
住所 杉並区西荻南2-28-15
電話 03-3334-7447
営業時間 平日9:30~21:00
日・祝9:30~20:00
定休日 木曜日

※新型コロナウイルスの影響により、営業日や時間などが変更になる場合があります。最新情報については各店舗にお問い合わせください。
※お出掛けの際は、感染症予防のため、咳エチケット・手洗い・アルコール消毒・マスク着用などを心掛けるようお願いいたします。

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※本記事に掲載している情報は2020年12月22日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。