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西荻案内所のガイドで駅南エリアを歩く

西荻は近年、新規出店も多く、メディアからの注目度も高まっている街です。その一方で、本来持ち合わせているのんびりした雰囲気を損なうことなく、中央線のなかでも独自の進化を続けているように見受けられます。今回はそんな西荻の南エリアに焦点を当て、「西荻案内所のガイドで骨董通り・東京女子大学界隈を巡る」でお世話になった奥秋圭さんに再びガイドを依頼。長く続くふたつの市の開催に合わせ、西荻の魅力に引き寄せられてやってきた新しいお店を中心に巡りました。(西荻案内所は2016年3月31日に閉所しています。)

西荻ガイドといったらこの方。西荻案内所の奥秋所長。

西荻ガイドといったらこの方。西荻案内所の奥秋所長。

40年続く朝市「神明通り あさ市」

最初に向かったのは、毎月第三日曜の朝8時から11時まで開催されている「神明通り あさ市(いち)」です。商店街の西荻東銀座会が主催するもので、40年の歴史があり、都内でも朝市のパイオニアなのだとか。しかもこの長い歴史のなかで、休止したのは台風が直撃した時のたった1度だけというタフなイベントです。商店街以外からの出店もあり、グルメや雑貨を中心とした40のブースが軒を連ねます。この日は来年3月20日に桃井原っぱ公園で開催予定の西荻愛が結晶するイベント「西荻ラバーズフェス」のメンバーがPRを兼ねて初めて参加していました。

「あさ市」ののぼりがずらりと並びます。開催時間中は歩行者天国に。

「あさ市」ののぼりがずらりと並びます。開催時間中は歩行者天国に。

この日は開始前に小雨が降りましたが、天候に左右されず人々の往来があるのはさすが40年の歴史です。

この日は開始前に小雨が降りましたが、天候に左右されず人々の往来があるのはさすが40年の歴史です。

西荻のレジェンド、104歳で現役のコーヒー豆職人の安藤久蔵さんの豆を使ったコーヒーをいただきました。

西荻のレジェンド、104歳で現役のコーヒー豆職人の安藤久蔵さんの豆を使ったコーヒーをいただきました。

「西荻ラバーズフェス」のメンバーの皆さん。

「西荻ラバーズフェス」のメンバーの皆さん。

神明通り あさ市(西荻東銀座会)

昼から路地で一杯「柳小路 昼市」

駅方面に戻り、異国情緒漂う飲み屋街・柳小路に向かいます。ここでは「神明通り あさ市」と同じ第三日曜に「昼市」が行われているのです。11時からゆるりと始まるので、「あさ市」が終わってからランチにやってくるのがベスト。柳小路に店舗を構えるタイ料理の名店「ハンサム食堂」を中心に、韓国料理やバングラデシュ料理などの世界の味をいちどに楽しめます。細い路地に多くの人が集まり、日曜の昼でもまるで夜のような賑わいのある不思議な空間です。

ここを歩くとどこかエキゾチックな街の雑踏の中にいるような気分が味わえます。

ここを歩くとどこかエキゾチックな街の雑踏の中にいるような気分が味わえます。

人気の韓国料理店の前で。秋冬はチゲ鍋など身体が温まるメニューも。

人気の韓国料理店の前で。秋冬はチゲ鍋など身体が温まるメニューも。

沖縄料理店にて。開放的に昼から飲めるのが「昼市」の醍醐味。

沖縄料理店にて。開放的に昼から飲めるのが「昼市」の醍醐味。

柳小路 昼市

紙のお土産を探すなら「ぺぱむら」

今度は、柳小路から徒歩1分、2015年4月オープンの紙に特化した雑貨店「ぺぱむら」に足を運びました。「共通点を探したら紙でした」と話す渡辺さん姉妹(文具店で働いていた姉とデザイナーの妹)が店を切り盛りしています。見ていて思わずニヤリとしてしまう小技のきいた紙のプロダクトが集められ、ひとつひとつがリーズナルブルで手軽なので、ちょっとしたプレゼントにもぴったり。月に一度は棚の入れ替えを行うので、定期的にチェックするのがオススメです。

一面ガラス張りの店構え。「ぺ」のロゴマークがかわいい。

一面ガラス張りの店構え。「ぺ」のロゴマークがかわいい。

この日はクリスマスをテーマにした紙モノが特集されていました。

この日はクリスマスをテーマにした紙モノが特集されていました。

昭和レトロを楽しめる紙模型「なつかしのジオラマシリーズ」(1500円〜)。

昭和レトロを楽しめる紙模型「なつかしのジオラマシリーズ」(1500円〜)。

ぺぱむら
住所 杉並区松庵3-39-11-1F
電話 03-5941-8346
営業時間 11:00〜20:00
定休日 木曜

西荻のシンボル「ピンクの象」

西荻に来たら南口のアーケード・仲通街に吊るされている「ピンクの象」を表敬訪問しないわけにはいきません。これは、秋祭りの時のみ降ろされて子供の山車として街じゅうを巡る、まさに元祖ゆるキャラ(?)と言えるでしょう。商店街の老舗ジーンズショップ「オークランド」店主の多田さんによると、このルーツは40年ほど前、祭りの子供神輿の代わりに竹細工店で購入した大きな象の置物にあるそうです。現在の象は二代目で、赤と白のペンキが偶然あったことからピンク色になったという微笑ましいエピソードなども、この人気を支えているようです。

「オークランド」の店先で宙に浮く「ピンクの象」。

「オークランド」の店先で宙に浮く「ピンクの象」。

「西荻は男物の洋服屋が多くないのでオークランドのようなお店はありがたい」とは奥秋所長の弁。

「西荻は男物の洋服屋が多くないのでオークランドのようなお店はありがたい」とは奥秋所長の弁。

この場所で生まれ育ち、「ピンクの象」の歴史を含め街の変遷を知る多田さん。

この場所で生まれ育ち、「ピンクの象」の歴史を含め街の変遷を知る多田さん。

「ピンクの象」を見上げながら西荻の未来に思いを馳せるおふたり。

「ピンクの象」を見上げながら西荻の未来に思いを馳せるおふたり。

オークランド
住所 杉並区西荻南3-10-10
電話 03-3333-6032
営業時間 11:00〜21:00
定休日 なし

日本酒と和菓子を楽しむ「をかしや」

仲通街を抜けて西荻南中央通りを南下し、左手の一本目の小径へ。今回の散歩の終着点「をかしや」を訪ねます。ここは2015年10月にオープンしたばかりの酒場。元々あったスナックの色合いを残す店内で、日本酒と和菓子という斬新な組み合わせが堪能できます。「自分のやりたいことを詰めました」と話す店主の戸辺さんが作る和菓子は絶品で(テイクアウトも可)、毎日気まぐれで変わるアテももちろん手作り。日本茶も多くの種類を取り揃えているので、お酒が苦手な方でも楽しめる間口の広さが魅力です。

木造りの壁に小さな緑のドアが目印です。

木造りの壁に小さな緑のドアが目印です。

お店はカウンター7席のみ。手作りのメニュー表に期待が高まります。

お店はカウンター7席のみ。手作りのメニュー表に期待が高まります。

左から、今回いただいたブルーベリー大福(400円)とサバポテ(400円)。

左から、今回いただいたブルーベリー大福(400円)とサバポテ(400円)。

日本酒も日本茶も徳利とおちょこでいただけます。最初の一杯は必ず注いでくれるそうです。

日本酒も日本茶も徳利とおちょこでいただけます。最初の一杯は必ず注いでくれるそうです。

をかしや
住所 杉並区西荻南2-24-2
電話 非公開
営業時間 17:00〜24:00
定休日 日曜、月曜

朝市と昼市、ドーナツ、ファッション雑貨、紙、和菓子酒場、そしてピンクの象。南エリアに絞っても、奥秋所長ならではのセレクトでまち歩きを楽しめたのではないでしょうか。前回同様、取材を通して触れ合った皆さんはいずれも西荻が大好きで、その溢れんばかりの感情が街の魅力をつくっているのだなということを改めて強く感じました。今回もそうした空気感が少しでも伝わってくれればと思います。