どんな個性も受け入れるいろんな顔を持つ街、高円寺

杉並区内のJR中央線沿線(高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪)エリアを紹介する「中央線あるあるプロジェクト」。4駅のまち歩きをナビゲートするのは、芸歴21年、杉並区在住10年、ゴミ清掃員歴7年のマシンガンズ・滝沢秀一さんです。今回歩いた街は、滝沢さんにとって「4駅の中でも一番身近な街」という高円寺。お子さんと遊びに行くスポットや、滝沢さんの知り合いが営むお店もご紹介します。

どんな個性も受け入れるいろんな顔を持つ街

マシンガンズ 滝沢 秀一さん
1976年生まれ。1998年お笑いコンビ・マシンガンズ結成。2013年より働き始めたゴミ清掃員としての日常がSNSで話題になり、2018年『このゴミは収集できません』(白夜書房)、2019年5月『ゴミ清掃員の日常』(講談社)、同年8月『ごみ育』(太田出版)を出版。滝沢 秀一さんマシンガンズ

さまざまな人のエネルギーあふれる街

 今回の4駅の中で、一番馴染みがある街といえば高円寺。一言でいえばやはり「若者の街」という印象ですが、若者の中にもいろいろなタイプの人がいて、いつ歩いても人のエネルギーを感じる街です。

 駅前の「座・高円寺」は前身の「杉並芸術会館」時代から、お笑いのライブなどでお世話になっている施設。2階のカフェは、お洒落で落ち着いた雰囲気なのに、びっくりするほど飲み物が安い!絵本もたくさんあって子どもと来ても楽しいですね。

 子どもと来たいお店といえば北口の庚申通り商店街の「HONEY BEE CREPE Tokyo」。実は僕、クレープ好きなんですが、これは初めての食感!低温で5分かけてじっくり焼き上げる技は、オーナーが師匠から半年がかりで習得したそう。物語が詰まったうまさだなあ。

 南口で今回、ぜひ紹介したかったお店が、隠れ家的な鉄板焼きのお店「ステーキいづな」。ご近所さんが「お店をやってる」というので、ある時来てみたら高級老舗!でも実はお昼がお得なんです!あ、ランチ推ししてたら「夜も来てよ~」とシェフ。近所で会うとシャイなのに、鉄板の前ではめっちゃ面白い、さすがプロ!

馴染みの街でも新しい出会いがある

 南口で気になっていた店といえば「アール座読書館」。「忙しい日常を忘れて現実逃避できる場所を」という店主の思いが生んだ私語禁止のブックカフェ。店内のインテリアと約1000冊の蔵書が独自の世界観を作り上げている。引き出しの中の落書き帳には、いろんな人の心の声が綴られていて、小説に負けない読み応えがありました。

 南口のルック商店街で、猫好き仲間に教えてもらった「西洋菓子 周五郎」を発見。猫をカタチにしたオリジナルお菓子、一本勝負!猫好きトークの延長で、ご主人が名古屋出身のドラゴンズファンとわかり意気投合!話してみると、まち歩きはさらに面白いね。

 商店街を抜けた高南通り沿いに今年7月オープンしたスポーツ施設「セノン スポーツ ゼロ」は、息子と何度か来ている場所。警備会社セノンの社長さんが杉並区在住で、会社の50周年を記念して設立した施設なんだそう。1階はバッティングセンター、2階の多目的フィールドでは子どもの走り方教室など、お手軽料金で参加できるプログラムがいろいろ。また子どもと来よう!

 球速105キロを本気で20球打ってお腹もすいたので、事務所の後輩夫婦が営む店「からあげとビール」へ。この店は月一で「からあげ寄席」をやっている。芸人と身近に遭遇できる店です。

 駅前で弾き語りしている若者や大道芸人がいたりする高円寺。馴染みの街だけど、いつもと違う視点で歩いてみると思いがけない出会いがあるなあ。

高円寺のイベント情報

秋の座・高円寺阿波おどり

秋の座・高円寺阿波おどり

夏とは違う、連ごとに違う舞台踊りの迫力を間近で!

高円寺阿波おどり連協会 会長 平野治彦さん

高円寺阿波おどり連協会
会長 平野治彦さん

 高円寺の阿波おどりは、毎年約100万人にご来場いただく夏の風物詩。今や踊り手も約1万人。高円寺阿波おどり連協会に所属しているだけでも30の連が、1年がかりで準備を重ね本番に臨みます。夏は他の連の踊りを見る機会がないため、お互いの踊りを学び合える機会にもなるようにと始めたのがこの「秋の座・高円寺阿波おどり」。3年目を迎え、より洗練された踊りを味わっていただけるイベントに成長しました。演舞場での踊りとは、音も違えば踊りも違う。笛だけのゆっくりとした踊りや、三味線だけでの踊りなど、連ごとに趣向を凝らした独自の「舞台踊り」を披露します。目の前の舞台をじっくり座って鑑賞していただけるので、地元の方にも区外からお越しの方にも好評をいただいています。

 連協会所属の連は、関東近隣の阿波踊り大会をはじめ、大小イベントの出演、小中学校の教育現場への協力、海外公演も行うなど、高円寺から世界へと文化発信を行っています。「秋の座」の舞台を重ねることでさらなる技術の向上につながり、レベルの高い踊りを見ていただけるまでになりました。高円寺の阿波おどりをご覧になったことがない方はもちろん、夏の流し踊りをご存じの方にも今までに見たことのない阿波おどりをお見せします。お客様との距離も近い舞台踊りの迫力を、ぜひ区内外の皆様に体感していただきたいと思います。

秋の座・高円寺阿波おどり
開催期間 2019年11月9日(土)・23日(土)
前売券 1,000円(11/23公演分)
11/9公演当日券 11:00~会場受付にて発売
各日4回公演 第1部 開場11:30 開演12:00
第2部 開場14:00 開演14:30
第3部 開場16:30 開演17:00
第4部 開場19:00 開演19:30
主催 NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会
共催 杉並区
協力 中央線あるあるPROJECT
問い合わせ NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会
03-3312-2728
HP http://www.koenji-awaodori.com

高円寺まち歩きMAP

パリパリ&もちもち、独特の食感!

テレビでも話題になったクレープ専門店。蜂蜜がたっぷり入った生地を低温でじっくり焼くことで、上の方はパリパリサクサク、下の方はしっとりもちもちという独特の食感ができあがる。お店の看板商品、「蜂蜜生クリームとフレッシュレモン」(480円)は、酸味があるのでさっぱりしていて、あっという間に食べちゃった!店主は「焼き上がるのに5分ほどお待ちいただけますか…」と申し訳なさそうに言うけど、このおいしさのためなら平気です!

HONEY BEE CREPE Tokyo

HONEY BEE CREPE Tokyo

① HONEY BEE CREPE Tokyo
住所 杉並区高円寺北3-35-24
電話 03-3337-4880
営業時間 12:00~22:00(生地が売り切れ次第閉店)
定休日 火曜

杉並の芸術はここから発信!

個性的な3つのホール、劇場を備える杉並区立の芸術会館。高円寺の風物詩、「東京高円寺阿波おどり」の練習もここで行われている。僕もお笑いライブでよく利用しています。2階のカフェ『アンリ・ファーブル』は劇場併設ということもあり、シックでおしゃれな空間。誰でも利用できるので、まち歩きで疲れた体を休めるのに最適。毎週土曜日には“本読み案内人”による絵本の読み聞かせが開催されており、子どもだけでなく大人も読んでもらう側で参加できます。

座・高円寺

座・高円寺

② 座・高円寺
住所 杉並区高円寺北2-1-2
電話 03-3223-7500
営業時間 9:00~22:00
定休日 年末年始及び館内整理日

味と鮮やかな手さばきにホレボレ

上質なステーキが味わえる、昭和63年創業の鉄板焼き店。ランチの「牛フィレステーキセット」(1400円)を注文。カウンター席では、目の前の鉄板でお肉や野菜が焼かれる様子を見ることができる。鮮やかな手さばきは、まさにショー!子どもが見入ってしまうのも分かる。味はもちろん言うことなしです。柔らかなお肉には肉汁が閉じ込められていて、噛むごとにうまさが広がる!ユニークなご主人の話も味に花を添えます。

ステーキいづな

ステーキいづな

③ ステーキいづな
住所 杉並区高円寺南4-28-10
電話 03-5377-0952
営業時間 12:00~13:30、17:30~23:00
定休日 月曜

現実から離れて自分をリセット

私語厳禁の読書喫茶室。お店に入り、水槽を眺めるソファ席や古い列車の座席を彷彿させる席など、一番落ち着ける場所を見つけたときから自分の時間が始まる。思考を止めてボーッとしたり読書に没頭したり、思い思いの時間を過ごせる。ご主人いわく、「一旦自分を“無”の状態に置くと、感覚が開いてきてあらゆる気付きが得られます」。一風変わったドリンクメニューも豊富で嬉しい。いろいろなことに忙しい現代人に必要な場所って気がする!

アール座読書館

アール座読書館

④ アール座読書館
住所 杉並区高円寺南3-57-6 2F
電話 03-3312-7941
営業時間 平日13:30(土日祝12:00)~22:30
定休日 月曜(祝日の場合は火曜)

唯一無二の「ゆめねこ」を販売

パリパリ食感の猫型のモナカに、香ばしいキャラメルを詰めた「ゆめねこ」(1個320円)を製造・販売する洋菓子店。試行錯誤の末に完成した、カラフルなうたた寝姿の猫型のモナカは唯一無二の商品だ。愛らしい見た目のうえに味も本格派。贈り物にピッタリだね。店内は猫グッズでいっぱいで、お客さんの中にも猫グッズを身にまとって訪れる方も多いのだとか。

西洋菓子 周五郎

西洋菓子 周五郎

⑤ 西洋菓子 周五郎
住所 杉並区高円寺南2-21-11
電話 03-3314-9927
営業時間 11:00~20:00
定休日 火曜

落語や占いなど独自の催し物も

店名のとおり「からあげとビール」(850円)がウリのからあげ専門店。衣に餅粉を使っているため、もちっとしてうまい!店主は僕の事務所の後輩だった元芸人ということもあり、お店では寄席やお笑い芸人兼占い師による占いが催されている。寄席は1000円と手頃だから落語好きにはもちろん、ちょっと興味のある人のはじめの一歩にも最適。臨場感あふれる落語を聞きながらからあげとビールなんて、他の店にはない面白さだね。

からあげとビール

からあげとビール

⑥ からあげとビール
住所 杉並区高円寺南3-21-19
電話 03-5378-1255
営業時間 12:00~15:00、18:00(土日祝17:00)~22:30
定休日 水曜、第2・4木曜

家族や友だちと健康をめざそう

最新鋭の設備を備える屋内型スポーツ総合施設。僕も子どもとバッティングセンター(1ゲーム20球300円)を利用したことがあります。人工芝フィールドではフットサルができるほか、ダンスやヨガなどのレッスンが行われている。ルームタイプの高酸素カプセルも設置されており、快適で居心地のいい空間の中で映像や読書を楽しみながら身体をケアすることができる。料金も50分2000円と、とってもリーズナブル!(一部、事前予約制)

セノン スポーツ ゼロ

セノン スポーツ ゼロ

⑦ セノン スポーツ ゼロ
住所 杉並区高円寺南2-13-5
電話 03-5913-8917
営業時間 1F:平日10:00(土日祝8:00)~22:30、2F:7:00~22:00
定休日 無休

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※本記事に掲載している情報は2019年11月09日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。