ラーメンマスクに聞く荻窪で外せないラーメン屋3選

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「ラーメンマスク」をご存知ですか?ラーメンマスクはラーメンを累計10,000杯以上(!)食す、杉並区に縁のあるラーメン愛好家です。
一年で最高802杯、最近では平均年500~700杯のラーメンを食し、主にX(旧Twitter)やインスタグラムで、独自の視点でラーメン情報を発信しています。
大人の事情で素性を明かせないラーメンマスクさんですが、“ラーメンマスクに聞く荻窪で外せないラーメン屋3選”と題し高円寺在住ライターのシゲタさんがインタビューしました。
「とにかくラーメンマスクさんの健康法が気になります。」とシゲタさん。ラーメンマスクさんご自身のこと、杉並ラーメンシーンの事情などを伺い、荻窪ラーメン店3店舗のレビューを含めご紹介します。

年間500~700杯ラーメンを食べるラーメンマスクの毎日

シゲタ:さきほど、ラーメンマスクさんが荻窪で絶対外せないラーメン店3店舗にご一緒させていただき、ラーメンをいただいてきました。それぞれに特徴があって本当に最高でした。3食連続でラーメン食べる経験をしたことがなかったのですが、案外いけるものですね(笑)
ラーメンマスクさんは、年に平均約600杯、この生活を約18年間ほど続けていらっしゃると思います。本当に驚愕で、生活があまりにも想像できません。お仕事等の都合上明かせない部分があるかと思いますが、一日のスケジュールはどんな感じなのでしょうか?

ラーメンマスク:普段は仕事をしていますので、休日にラーメンを食べに行く日は、だいたい午前中の早い時間に「今日はどこ行こうかな?」みたいに考えて決めます。

シゲタ:その日に、ですか。

ラーメンマスク:その日に決めるケースが多いですね。でもちょっと早めに決めて出かけないと、1時間半とかお店までかかったりするわけで、開店前に間に合わない。

シゲタ:開店前に並びますか。

ラーメンマスク:お店によりますけどね。あの人気店なら開店1時間前に行かなきゃ、あそこは30分前だとか。開店前に並ぶのをラーメン界隈の言葉で「シャッター」っていうんですけど(笑)、シャッターの中でも「ポールポジション」っていうと、一番最初に並ぶことを指すんです。

シゲタ:業界用語ですね(笑)年間600杯ということは、平日も夜はラーメンを食べられるわけですよね。1年間、1日も欠かさないんですか。

ラーメンマスク:平日でも昼1杯、夜2杯という時もあれば、夜1杯だけの時もあります。でもやっぱり仕事の兼ね合いとか、食べられない日もあったりしますから。ラーメンを食べない日は「今日は麺休日(めんきゅうび)」って言ってるんですよ。ラーメン界隈では休麺日って言う人もいますけど、僕は麺休日。2日食べないと、2麺休(笑)。

シゲタ:2連休、みたいな(笑)。首都圏が多いんですかね。

ラーメンマスク:杉並から日帰りで行けるところが多いですね。コロナ禍前は、長野に遠征して朝10時半くらいに着いて4軒くらい食べてそのまま戻ってきたりとか。千葉の成田へも行ったり。遠出はコロナ禍でちょっと控えめになっちゃいましたね。またちょっと再開したいと思っていますけど。

「ラーメンはしご」について

シゲタ:ラーメンはしごって、何軒くらいいけるもんですか?

ラーメンマスク:何軒連続っていうより、同じ店で3食いただくこともありますね。違う味で3杯ですけど。僕は大食いではないので、そんなには。

シゲタ:同じお店で3杯ですか!それで大食いではないと(笑)。今回ラーメン屋3軒ご一緒させていただいて驚いたのが、お店をはしごしてもスープ全部飲まれるじゃないですか。すごいですよね。

ラーメンマスク:完飲しますね。やっぱり、お店の人が一番力を入れてるところってスープだと思うんですよ。材料費とか、お金も手間もかかってる。そこは、やっぱり全部いただかないと。

シゲタ:ラーメンへの愛やお店へのリスペクトが、すごく伝わりました。

ラーメンばかり食べて飽きない?

シゲタ:ラーメンばかりで、飽きることはないんですか?

ラーメンマスク:そうですね、飽きないですね。同じようなものばかりだと飽きるかもしれないですけど、ラーメンって色々な味がありますから。スープだけじゃなくて素材も色々で。特に今は、限定ラーメンが増えてきていて。それもあって飽きないのかな。

シゲタ:やっぱり、好きに尽きるんですね。“好き”をずっと続けられる才能がおありなのだと感じます。

ラーメンはエンターテインメント

シゲタ:「ラーメンはエンターテイメント」と仰るラーメンマスクさんですが、お店に行ってXでレビューされる理由や、ラーメン店を応援したい思いなどをお聞かせください。

ラーメンマスク:これもやはり「ラーメンが好き」という一言に尽きるんだと思うんですよ。好きなものを作ってくれているお店がなくなってほしくない。そういう思いがあって応援したいと思います。「まずい!」みたいなお店は今どきもうほとんど無いと思うんですよ。そんな状況の中でね、お店はそれぞれ苦労してやっている。好きなものを作ってくれている。そういうところを応援したいんですよね。

ラーメン好きになったキッカケ、一番行ったラーメン店

シゲタ:ラーメンの食べ歩きをはじめたのは、どういうきっかけだったんですか。

ラーメンマスク:最初食べ始めたときは、こんなふうに食べるようになるとは思ってなかったんですよね。家の近所からスタートして、どんどん広がった形ですね。
きっかけになったお店は、南阿佐ヶ谷の「萬福本舗」さんです。22周年を迎えられたお店ですね。累計で一番食べたお店です。多かったときは一年間で120杯越えでした。

萬福本舗(丸ノ内線南阿佐ケ谷駅徒歩8分)のとんこつラーメン

萬福本舗(JR中央線阿佐ケ谷駅徒歩9分)のとんこつラーメン

萬福本舗
住所 杉並区阿佐谷南3-2-3
電話 03-3392-2892
営業時間 11:30〜14:00 18:00〜23:00 土11:30〜23;00 日祝11:30〜16:00
定休日 不定休
ホームページ http://www7a.biglobe.ne.jp/~manpukuhonpo/
関連記事 https://www.chuosen-rr.com/dining/ramen-asagaya-manpuku/

シゲタ:すごい!そんなに連食できちゃうんですね。何度も聞きますが、やはり飽きないんですか。

ラーメンマスク:飽きないですね。豚骨スープを使った担々麺がおすすめです。

シゲタ:私も外食してネットやSNSでお店を紹介していますが、記事をアップしなくちゃいけないことがプレッシャーになった頃もあったんですよね。ここのエリアを制覇したい。でも、ここもあそこもまだ行ってない、行きたい、行かなきゃいけない!と思って、お腹が一杯でも、食欲がなくてもお店を周ってた頃がありました。当時、けっこう辛かった思い出です。そういう、戦ってるというか義務感のようなものってあるんですか?

ラーメンマスク:過去ありましたね。自分に義務を課しているというか、今日は3杯絶対食べなきゃいけない、みたいなことはありました。今月はこのくらい食べないと、とか。でも最近はもう、普通に食べていても自然に数がいっちゃうんで。よっぽど年間700とか800を目指すようでなければ、プレッシャーを感じるほどではなくなりました。あんまりガツガツしなくても気楽にいけるっていうか。

新店は必ず行く?

シゲタ:都内近郊で新店ができたら、もうほぼほぼ全部行く感じですか?

ラーメンマスク:以前はそういう傾向があったんですけど、今はもう絶対って感じでもないですね。だいたい他の方のレビューとか見て(笑)、だいたい味の想像がつくケースもあったり。家系ならこの人とか、新店ばかり行く人もラーメン界隈にたくさんいらっしゃって、参考にしたりします。ちなみに、新店ばかり行く人は「ラーメンコレクター」って言うんです。私みたいに新店にも行くけど、前に行ったところにも行くのは「ラーメンリピーター」。新店に行ったといっても、ラーメンで煮干しと鶏白湯とか2つの看板メニューがあるのに1回しか行かないのは「未食扱い」って言ってたりもしますね(笑)

シゲタ:これも専門用語ですね(笑)

ラーメンマスク:なので最近は新店だから絶対行く、とはならないかな。新しいところに行くよりも今のスタイルは、お店の限定ラーメンを食べてみることですかね。

ラーメンのバリエーションで体調管理

シゲタ:実はこれが一番聞きたいと思ったことなんですが、健康法など、体に気を付けていることがあれば教えてください。

ラーメンマスク:体調管理はある程度しているつもりですが、特に運動とかはしていないですね。寝る3時間前は食べない、くらいかな。遅い時間に食べちゃったら、寝る時間をずらすとか。健康法というほどのことはしていないです。

シゲタ:ええー!

ラーメンマスク:他には、5連食したら次の食事は休むとかね。汁ありを食べたら次はつけ麺、その次は油そばにするような感じで、バランスとったりするくらいかな(笑)二郎系、家系が続いたらあっさり系にするとか。そこで調整しています。

シゲタ:ラーメンの種類で調整ですか!

ラーメンマスク:油そばだと、通常のラーメンの2/3くらいのカロリーなんですよ。まあでもいつでも体調が良いわけではないので、特にお酒を飲んだりするとね。二日酔いの状態で行くと厳しいですよ、1軒で終わっちゃうとか。いつでも健康に食べられるようにしておきたいんですけどね。

シゲタ:野菜、足りなくなったりしませんか。例えば、、お茶とかよく飲んだりしますか。何か特別なお茶飲んだりとか。

ラーメンマスク:お茶はよく飲みますけど、特別なものじゃなくて、ペットボトルのとかですよ。ラーメン以外の食事もしますから、野菜が足りないとか、そういうなにか不足してるなってことはないですね。そもそもラーメンに色々具材が入ってますし。

シゲタ:もはやラーメンで、色々な食材を摂れると。私はラーメンはどうしても体に負荷がかかってしまうイメージがありますが、ラーメンマスクさんは屈強な体と精神面もお強いのだと感じています。一種の特殊能力のような。しかしストレスが一番体に悪いと思うので、それを見事にラーメンで発散されているんでしょうかね。

杉並ラーメンシーンの移り変わり

シゲタ:私は高円寺に住んでいるんですが、素晴らしいラーメン店がすごく増えていると思うんです。杉並全体のラーメンシーンの移り変わりについて伺ってもよろしいですか。

ラーメンマスク:私もこうやって食べるようになったのはここ18年ですが、30年~40年前に比べればラーメン屋が本当に増えましたよね。まず昭和60年頃に、荻窪ラーメンのブームが来て。丸福さん、春木屋さん、丸信さん、今はなき中華料理の春木屋さんとか佐久信さんとかね。今は中央線の4駅だけでなく、杉並中まんべんなく色々なラーメン屋さんがありますね。
それから、ご当地ラーメンですね。色々な地方のラーメンが杉並でも食べられるようになりました。たとえば荻窪では、四面道のところのビンギリさんで勝浦タンタン麺が食べられる。今回伺った五稜郭さんの函館塩ラーメンもそうですけど、杉並だけでなくて、他の地域でもそういう傾向なんだと思います。
あと、昼だけ間借り営業しているお店も増えましたね。営業形態も昔と比べて変わったという感じがします。

シゲタ:たしかに。今ではご当地ラーメンって各地にたくさんありますけど、考えてみればこの現象って当たり前のことではないですもんね。

荻窪で3店を選んだ理由

シゲタ:今回、3店舗で一緒にラーメンをいただいてきました。杉並の中で、荻窪に限定して三店を選んだ理由というのは。

ラーメンマスク:荻窪を選んだのは、やっぱりラーメンで杉並、といえばまず荻窪かなと。発祥の地というか、原点ですね。今、荻窪で絶対に外せないお店をあげてください、と言われたときに、パッと浮かんだのがこの3店でした。他のお店ももちろん好きなんですけどね。

①春木屋 荻窪本店

ワンタン麺(1,300円)

わんたん麺(1,300円)春木屋提供

春木屋 荻窪本店
住所 東京都杉並区上荻1-4-6
電話 03-3391-4868
営業時間 11:00~21:00
定休日 年中無休(年末年始及び施設メンテナンスの為の休業有り)
HP http://www.haruki-ya.co.jp/
X https://twitter.com/harukiya_24
関連記事 荻窪の老舗ラーメン店・春木屋二代目店主に聞く

シゲタ:まずは春木屋さんです。説明するまでもない東京を代表する老舗のお店だと思いますが、ここで改めて人気NO.1のわんたん麺を選んだ理由を教えてください。

ラーメンマスク:春木屋さんっていうと、中華そばのイメージですよね。まさに王道の中華そば。普通の中華そばももちろんいいんですけど、わんたん麺はお店で人気NO.1って言っているだけあって、一番のおすすめになるかな。ワンタンにニンニクが使われていて、肉汁からニンニクが滲み出てくる。それが魚介系のしっかりしたキレのあるスープに染み出して、普通の中華そばとはまた違う味わいになっているわけです。ワンタンって、漢字では雲を呑むって書くんですけど、本当に、雲のようにふわっと、つるつるしてる。のど越しがよくて。ニンニクのパンチがきいてて。

シゲタ:帰り際店員さんに「中華そばの叉焼と、ちゃーしゅー麺の叉焼は違うんですか?」とサラッと聞いてましたよね。驚きました。

ラーメンマスク:前から違うよなぁとすごく気になっていて、今日は伺えるチャンスがあったので聞いてみました。中華そばの叉焼は豚モモ肉で、ちゃーしゅー麺の叉焼は豚1頭から2本しか取れない希少部位「しきんぼう」という部位なんですよね。メニューで叉焼を変えているお店もなかなかないです。

シゲタ:春木屋さんは昔から行かれてるんですよね。

春木屋はラーメンの種類によって器がすべて異なる

春木屋はラーメンの種類によって器がすべて異なる

ラーメンマスク:そうですね。最初は自分の中華そばのイメージは春木屋さんだったんですが、夏になると冷やし中華があるし、つけ麺やってみたり、色々あるんですよ。冬になると味噌中華そばやってますし。老舗といいつつ、バリエーションがあるんです。それからお店の楽しみ方のひとつですけど、カウンターで食べると、麺上げ(茹でた麺をざるで湯切りすること)がすぐ目の前で見られるんですよ。麺上げ目前の席は特等席ですね。

シゲタ:雰囲気も含めて楽しめるんですね。

② ひつじそば 人と羊

シゲタ:続いて、ひつじそば 人と羊さんです。2,500円の特製ひつじそばを食べられました。ラーメンとしては高級な部類に入るかと思います。しかし羊を扱うラーメンって珍しいですよね。

ひつじそば(2,500円)

特製ひつじそば(2,500円)

ひつじそば 人と羊
住所 東京都杉並区天沼3-30-42
電話 なし
営業時間 18:00~21:00
定休日 月曜日、日曜日
X https://twitter.com/hito_to_you

ラーメンマスク:珍しいですよね。最初はまずそこに注目したんです。そして行ってみると、一杯の値段はもちろん安くはないんですけれども、この値段で十分満足できるものに仕上がっている。値段に見合う。羊料理、と考えれば高くはないですよ。

シゲタ:まさしくラーメンというより、羊料理でしたね。

ラーメンマスク:羊白湯に大量のひき肉を入れスープを澄ます「掃湯」で、羊のうまみを抽出してますよね。羊を存分に味わえるんです。ふんだんなスパイスで、クミンとか色々きいてて、セミドライトマトも入ってて。羊肉のテリーヌは必食ですね。

シゲタ:クオリティが高くて驚きました。

ラーメンマスク:いいものを使っているし、それに羊だけじゃなく普段なかなか口にしないような食材を色々使われたりします。羊という珍しさだけじゃないんですよね。日替わりメニューもあって、種類が多い。いいもの使って、手間ひまをかけています。アイデアの引き出しも多い。素材の活かし方に毎回驚かされます。

シゲタ:丁寧なお仕事を感じました。ラーメンマスクさんがシェフのことを、天才だとおっしゃっていたのも印象的でした。

ラーメンマスク:たしかに大将とかいうよりシェフって感じですよね。もう店主さん、天才どころか羊なんじゃないかって思うんです(笑)。それくらい羊のことを考えている。体調が心配になるぐらい手間ひまかけていますよね。寝る時間あるのかなって。本当にがんばってほしいと思っています。

シゲタ:メニューのネーミングもユニークですよね。「みちのくひつじ旅」や「マトン清正~羊が熊本ラーメンになっても~」など。

日替わりそばとトッピング

ラーメンマスク:面白いですよね。他にも真夏のヒツジーニョや灰汁魔そばとか。お昼の時間は今、不定期営業ですね。昼の羊らぁ麺は夜に比べてリーズナブルなんですよ。そちらも美味しい。でも初めて行くなら夜のひつじそばからスタートしてほしいなぁ。

③ 函館塩ラーメン 五稜郭

シゲタ:3店舗目、最後は五稜郭さんに行ってきました。ここでは、ラーメンに、がごめ昆布と玉子トッピング。更にいか飯をご注文されました。改めて、五稜郭さんのお薦めポイントを教えてください。

ラーメン(800円)+がごめ昆布(150円)+マキシムこいたまご(150円)

ラーメン(850円)+がごめ昆布(150円)+マキシムこいたまご(150円)

函館塩ラーメン 五稜郭
住所 東京都杉並区天沼3-28-7
電話 なし
営業時間 11:30~16:00(売り切れ次第終了)
定休日 月曜日・火曜日(祝日は営業)
X https://twitter.com/ramen_goryokaku

ラーメンマスク:杉並区内で塩ラーメン1本でやっている店はあまりないんですよね。食材を函館から取り寄せていて、道南産の真昆布とか猿払産のホタテを使っています。荻窪の中の小さな函館っていいますかね。あと店内の雰囲気もすごくいいですし。

店内には函館を感じるグッズが沢山展示

店内には函館を感じるグッズが沢山展示

シゲタ:大きい麩が入っていてあれがまた美味しいんですよね。すまし汁に手毬麩とか入ってたりしますが、普段お麩を食べる機会って少ないですもんね。

ラーメンマスク:麩は函館ラーメンの特徴で珍しいですよね。麩がまた、スープを吸っておいしいんですよ。ホタテや昆布の旨味をしっかり抽出したスープ。私が今日トッピングしたがごめ昆布は海の香りがすごくよくて、塩ラーメンをいっそう引き立てます。いかにも函館だなって。あといか飯。いかと一緒に炊き込んだ醤油の香りがね。

いか飯(300円)

いか飯(300円)

シゲタ:いか飯、すごくおいしかったですね!衝撃的でした。あと麺は今、自家製麺なんですよね。

ラーメンマスク:あの麺肌がきれいでね。のど越しが良くて素晴らしかったですね。もともと北海道の製麺所から麺を仕入れていたんですけど、色々な事情があって東京まで回らなくなっちゃった。それで自家製麺に切り替えるようになったようです。研究を重ねて、粉やかん水(中華麺などの製造に使うアルカリ塩水溶液)の量もしっかり同じにしてね。その出来が素晴らしくて以前と変わらないというか、こっちのほうがうまいなってほどになって。

シゲタ:お店の方2人だけの営業で、自家製麺にされたこともあって今は昼営業だけになっているんですよね。

ラーメン1,000円の壁について

シゲタ:近年たびたび話題に上がる「ラーメン1,000円の壁」についてどう思われますか?

ラーメンマスク:以前は確かにラーメンって安くて、ワンコインで食べられる庶民の食べ物なイメージがありました。庶民の食べ物だからそのくらいでいいよと。700~800円でも高いよなって。それがまあどんどんと進化して。いろんな味が増えて、多種多様な食材を使うようになりました。そういった中で、いい原材料を使って、光熱費とか上がってる中で、今1,000円以下で食べられるレベルじゃなくなってきてますよね。

シゲタ:クオリティや原価からして採算合いづらい現状がありますよね。

ラーメンマスク:今ではデフォルトラーメンだとぎりぎり1,000円以下で済んでも、ちょっと味玉トッピングしたらすぐ超えますよね。自分の中ではもう1,000円の壁ではなくなって、1,500円の壁かなと思ってますね。

シゲタ:昔のラーメンでイメージが止まっている方だと、今の価格は高いと思われてしまうということですね。

ラーメンマスク:たくさん食べてる人からしたら、今は色々なバリエーションがあって、さまざまな食材が使われてるってわかってますから。トリュフオイルだとか、とても高級なものを使われることさえある。そうなると1,000円の壁ってのはもうなくなりつつあるかなと。

シゲタ:でもお店としてもなかなか価格を上げにくい現状がありますよね。

ラーメンマスク:もっと上げたらいいのにと思うときもあるんですけど。でもお店の人って、どうせ上げるんだったら玉子を良いものにしてとかで、実質あまり利益で変わらなかったり。営業する側からしたら、値段を上げたらお客さんが離れていっちゃうんじゃないかという、すごい怖さがあるんだと思います。

シゲタ:値上げしたら、やっぱりお客さんは露骨に離れちゃうものなんですかね。

ラーメンマスク:今はそれはあまりないとは思うんですけどね。ラーメンに興味があまりない人はそうなのかな。でもあきらかに赤字になっちゃうのはね。お店の設備や人件費削っても限界がありますから。

ラーメンマスクが杉並のラーメン好きに伝えたいこと

シゲタ:ラーメン食べた後は、どう過ごされるんですか。

ラーメンマスク:日によったり食べた内容にもよるんですけど、一気に眠くなるんですよ。もう、帰りの電車の中で爆睡です。でも、ちゃんと写真を確認したりします。

シゲタ:血糖値が上がってるんですかね(笑)しかしSNSに掲載する写真を撮るのすごくお早いですよね。

ラーメンマスク:撮影はね、やはり最初にぱっとしたいですね。撮るのに時間をかけたくないところはあります。写真を5分以上撮ってSNSにあげる人もいるけど、お店からしたら最高の状態で出してるわけだから、それを5分以上放置されたらたまんないんじゃないかなと。

シゲタ:ラーメン好きの方に、伝えたいことはありますか。

ラーメンマスク:バリエーションがいっぱいあるので、ぜひ、好きなお店を見つけて通ってほしいですね。

シゲタ:好きなお店を見つけるコツはありますか?

ラーメンマスク:まず好きな味ですよね。好きな味を出していそうなところを調べて、まず行ってみる。足を運んでいただいて。

シゲタ:大事ですね。行ってみる。

ラーメンマスク:実際行ってみないと。思ってたのと違うとかすごくあるので。

シゲタ:情報集めは、ほぼSNSからですか?

ラーメンマスク:そうですね。Xが多いですね。でもやはり行ってみないとだめですね。スープ、麺、具、店の雰囲気とか、色々なものを含めて、自分の好きな店を探して見つけてほしいですね。私が最初に萬福本舗に行くようになった時も、これは自分が好きな味だなあと思ったんでね。じゃあ他の店はどうなんだろう、と。興味を持って色々行くようになって広がったので。
なのでぜひ、これだというお店を一店舗見つけてほしいと思います。そこから奥深いラーメンの世界が開かれると思います。

シゲタ:好きなものに出会えたからこそ、それが広がって18年も続いているということですね。読者さんにも杉並で、運命が変わる様な好きなものと出会う体験があるといいな、と感じました。今日は、非常に勇気づけられるお話をありがとうございました。

店舗紹介:ラーメンマスク XInstagram
取材・編集:シゲタ(ツブサ・スギナミ主催)
取材協力:荻窪邪宗門 X

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※本記事に掲載している情報は2024年01月29日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。