
住宅地にひっそり、地元民でにぎわう愛されるつり堀。
JR中央線の線路から直線距離でわずか50メートル。阿佐ケ谷駅の南側に広がる昭和風情が人気の川端通商店街(川端新興会)を進むと、つり堀寿々木園がある。きれいに手入れされた生け垣に囲まれたこのつり堀は、関東大震災を機に、東中野の日本閣から阿佐ヶ谷に移転してきた。
創業は1924年と古く、現在は3代目店主の鈴木典明さんが運営している。開業当時は養殖をしていたそうで、大雨の時には金魚が逃げ出して駅のあたりで、ピチピチと魚が跳ねていた、という。
陽気の良い日は、親子や若いカップルの来園も多い。2020年からのコロナ禍では、近場の屋外で休日を過ごす人が増えたこともあり賑わいを見せている。また2021年から連載を開始した漫画『ひらやすみ』(作・真造圭伍/小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」)では、主人公・生田ヒロトのアルバイト先のモデルにもなり、密かに『ひらやすみ』ファンが訪れることがある。
もちろんの長年の常連さんも多い。周囲はマンションに囲まれて木立こそないが、みんなから愛される住宅街のオアシスだ。水槽は3つあり、金魚、フナ、鯉などを釣ることができる。
近年阿佐ヶ谷の七夕まつりの開催時期(例年8月初旬)にあわせ、閉店後に金魚灯篭を展示したり、時おりアーティストの屋外アート作品の展示の会場として利用されたりと、釣りファンのみならず、訪れる人が多い。
貸し竿・餌もセット(1時間650円)。
取材:2022年5月
再取材情報更新:2025年6月26日
- つり堀 寿々木園
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住所 杉並区阿佐谷南3-38-33 X https://x.com/turi_suzukien 電話 03-3398-0607 営業時間 08:00-18:00(冬期は日没を目安に閉園) 定休日 金曜、悪天候