高円寺経済新聞記者のガイドで駅南エリアの“古着屋街”を歩く

吉田拓郎が「君は何処に住んでいたのですか/高円寺じゃないよね」と歌い、みうらじゅんが「高円寺は日本のインド」と言い放った街・高円寺。このように高円寺とは、歌われ語られる、つまり誰かに何かを伝えたくなる多様な魅力が詰まった街です。そんな高円寺の今回のガイド役は、広域杉並圏のビジネス&カル チャーニュースを届けるインターネット情報配信サービス高円寺経済新聞記者の宮崎真志さん。駅南口の高円寺ならではのスポットを、古着屋を中心にご案内します。

高円寺経済新聞記者の宮崎さん。高円寺の“今”をお届けします。

高円寺経済新聞記者の宮崎さん。高円寺の“今”をお届けします。

  1. アメリカのヴィンテージ古着が揃う「SUNTRAP」(高円寺駅徒歩2分)
  2. アメリカン・ヴィンテージグラス「DEALERSHIP」(高円寺駅徒歩4分)
  3. ストリート系ショップ「RUGGED」(高円寺駅徒歩3分)
  4. ガーリーな古着を探すなら「ガイジン」(高円寺駅徒歩4分)
  5. 古着愛に満ち溢れる「郊外サバービア」(高円寺駅徒歩4分)
  6. 古道具屋「新しい人」(高円寺駅徒歩4分)

アメリカのヴィンテージ古着が揃う「SUNTRAP」

最初に向かったのは、高南通りに面した「SUNTRAP」。「マニアックなお客さんが常連に多いんだよね」とオーナーが語るように、筋金入りのヴィンテージ古着好きに支持される高品質な古着を扱う、高円寺でも古株の古着屋です。海外からバイヤーやデザイナーも買い付けに訪れるそうですが、それは目利きのオーナーが選んだクラシックでスタンダードな服が置かれているからこそ。ハンガーやラックといった小物類も服と同じ時代に製造されたものを配置するなど、 こだわりが随所に散りばめられています。

濃い緑のウッディな柱が印象的な入口。

濃い緑のウッディな柱が印象的な入口。

ィンテージ品だけでなくレギュラー品も多く扱っています。

ィンテージ品だけでなくレギュラー品も多く扱っています。

ミネアポリスで見つけた1920年代製のワークブランドの看板。輸送費はなんと10万以上(!)。

ミネアポリスで見つけた1920年代製のワークブランドの看板。輸送費はなんと10万以上(!)。

SUNTRAP
住所 杉並区高円寺南4-23-5-1F
電話 03-5378-3260
営業時間 13:00~21:00 土日祝12:00~20:30
定休日 なし

日本最大級のファイヤーキング専門店「DEALERSHIP」

次のスポットはルック商店街にある「DEALERSHIP」。取材日(※2014年12月18日)にちょうど10 周年を迎えたという、ファイヤーキングを中心としたアメリカン・ヴィンテージグラスを扱う専門店です。ファイヤーキングとは、アメリカ・アンカーホッキング社の耐熱性ミルクガラスのブランドのこと。店内には、大手企業の販促グッズとして作られたカップから食器まで、常時7000以上の商品が所狭しと並びます。神秘的な翡翠色をした一番人気の「ジェダイ」というモデル(4980円~)は、月に100個も売れるのだとか。マニアでなくとも欲しくなる一品です。

ルック商店街の北側の入口すぐにあります。この看板が目印。

ルック商店街の北側の入口すぐにあります。この看板が目印。

整然と並ぶファイヤーキング。コストパフォーマンスと質の高さに定評あり。

整然と並ぶファイヤーキング。コストパフォーマンスと質の高さに定評あり。

「ジェダイ」シリーズはオリエンタルブームで翡翠色が注目されて生産されたのだそう。

「ジェダイ」シリーズはオリエンタルブームで翡翠色が注目されて生産されたのだそう。

DEALERSHIP
住所 杉並区高円寺南3-45-18-2F
電話 03-3314-7460
営業時間 12:00~19:00
定休日 なし

高円寺でも珍しいストリート系ショップ「RUGGED」

パル商店街から裏道に入ると、高円寺には珍しい、ヒップホップやブラックミュージックが流れる「RUGGED」が見えてきます。こちらではオリジナルブランドのほか、ストリート系ブランドが新品から古着まで幅広くセレクトされ、2フロアある店内は常時ぎっしり。海外から有名デザイナーが訪れることもあるとか。ちなみに常連に日大相撲部の学生もいて、そのためオリジナルブランドの商品のサイズはXXXLまで作っているのだそうです。

ガラスに描かれたイラストはボクサージュンタローの手によるもの。

ガラスに描かれたイラストはボクサージュンタローの手によるもの。

2階にはスポーティーなアイテムが多く取り揃えられています。

2階にはスポーティーなアイテムが多く取り揃えられています。

ここに来れば誰でも「yeah!」。宮崎さんもノリノリです。

ここに来れば誰でも「yeah!」。宮崎さんもノリノリです。

RUGGED
住所 杉並区高円寺南4-24-5
電話 なし
営業時間 12:00~20:00
定休日 なし

ガーリーな古着を探すなら「ガイジン」

お腹も満たされましたので、西の方に向かって歩を進めてみましょう。長仙寺の山門前、エトアール通りには多くの古着屋が軒を連ねています。今回はその一角に位置する、テキスタイルやシルエットにこだわってセレクトしたヴィンテージ古着を扱う「ガイジン」をチェック。高円寺の中でもおしゃれ好きな女性に評判のショップです。優しい雰囲気の店内はカップル客からの支持が厚いのだそう。クリエイターのアクセサリーやミュー ジシャンのCDなどの委託販売も行っています。

店外に置かれた木馬は「ガイジン」のトレードマーク。

店外に置かれた木馬は「ガイジン」のトレードマーク。

刺繍作家の手によるリメイクカーディガン(14000円)とオーナーがイラストを描いた靴(5800円)。

刺繍作家の手によるリメイクカーディガン(14000円)とオーナーがイラストを描いた靴(5800円)。

ラックには定番からかわいい系までバラエティ豊富な古着が並びます。

ラックには定番からかわいい系までバラエティ豊富な古着が並びます。

ガイジン
住所 杉並区高円寺南3-56-1
電話 03-3316-9337
営業時間 12:30~20:00
定休日 なし

古着愛に満ち溢れる「郊外サバービア」

そこから少し長仙寺のほうに北上して西側に折れると、とにかく古着が大好きなオーナーが営むショップ「郊外サバービア」があります。不思議な店名は、郊外の風景を写した写真集に感銘を受けたということに由来します。近頃は女性客が多く、レディースの比重を上げて7:3の割合で置いていて、誰でも着やすいハードルの低いものから個性的な服まで取り揃えています。「自分のセレクトした古着を買ってもらえるのが一番の 喜び」と語るオーナーの笑顔が印象的でした。

一面の黒い壁が目に留まります。

一面の黒い壁が目に留まります。

時代の流れを読んで並べる古着も変えていきます。

時代の流れを読んで並べる古着も変えていきます。

弟さんも高円寺で古着屋を営むという古着好きの血筋のオーナー。

弟さんも高円寺で古着屋を営むという古着好きの血筋のオーナー。

郊外サバービア
住所 杉並区高円寺南3-56-5-102
電話 03-6674-8831
営業時間 13:00~20:00
定休日 なし

新しい価値観を提示する古道具屋「新しい人」

最後に訪れたのは、「郊外サバービア」と同じ建物にある「新しい人」です。2014年11月1日にオープンしたばかりで、一度聞いたら忘れられないようなユニークな店名が目印。「自分の場所をつくるために始めた」と話すオーナーの手によって集められた古着と古道具が並びます。長く使える良いモノを基本にしながらも、アフリカのお金など変わり種も商品として扱っているとか。「気づかない人は気づかなくてよい」と喝破し、時流に乗らずブログやSNSなども一切やらないというスタンスが新鮮です。

どれが私物でどれが商品か分からない独特のオーラが漂う店内(基本的にすべて売り物です)。

どれが私物でどれが商品か分からない独特のオーラが漂う店内(基本的にすべて売り物です)。

店名は大江健三郎の『新しい人よ目覚めよ』などの作品にインスパイアされて付けたそう。

店名は大江健三郎の『新しい人よ目覚めよ』などの作品にインスパイアされて付けたそう。

沖縄まで買い付けに行った人間国宝・金城次郎の器。値段は検討中です。

沖縄まで買い付けに行った人間国宝・金城次郎の器。値段は検討中です。

新しい人
住所 杉並区高円寺南3-56-5-105
電話 080-4325-6919
営業時間 13:00ごろ~20:00ごろ
定休日 不定休

高円寺経済新聞記者に案内いただいた高円寺駅南口の古着屋街散歩、いかがでしたか。古着屋にも様々なジャンルがあり、また古着を扱うだけでなくオリジナル ブランドを持っていたりクリエイターとコラボレーションしたりと、幅広く手がけるショップをご紹介できたと思います。高円寺らしくオーナーの趣味嗜好がこ れでもかと反映された空間は、どこも独自の魅力を備えていました。今回訪れたスポットを巡りながら、面白い場所がまだたくさんある高円寺を楽しんでくださ ればと思います。

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※本記事に掲載している情報は2015年02月03日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。