1. 特別企画
  2. すぎなみ道草のススメ・桃園川暗渠を歩く(高円寺編)

すぎなみ道草のススメ・桃園川暗渠を歩く(高円寺編)

桃園川本流に到着!整備されている緑道を西へ

そうこうしているうちに、本流である桃園川との合流地点に到着です。写真は、桃園川の下流側を見ています(奥が中野方面)。

上流に向かって西に進むため、桃園川の名が冠された歩道橋で再び環七通りを渡ります。

どうやらこの歩道橋の上からも、桃園川が流れていた痕跡がしっかりと見えるのだとか。立ち止まってそれを確認します。

横に走っている2本のひびのようなものはわかりますでしょうか。これが埋められた桃園川の位置を示しているそうです。「本当だ。ほぼ等間隔にひびが走っていて、川が見えてくるようですね」と田森さんもびっくり。

環七の西側に来ると、アーチ状の大きなモニュメントが迎えてくれます。桃園川のイニシャル、「M」を表したものではないかという指摘もあるそうですが、そこはなんともはっきりしないのだとか。なんとなく、そう思いたい気もしますね。

桃園川緑道として整備されている暗渠を進んでいくと、近隣住民から愛されているカッパのオブジェが待っていました。なんと、麦わら帽子をかぶっていますね。

「今日は麦わら帽子だけど、靴下を履いていたりマフラーを巻いていたりと、季節や日によって装いが変わるんです」と吉村さん。まるで桃園川暗渠のアイドルのようで、思わずカメラを向けたくなります。

そのカッパが腰掛けている小さな交差点には、「止まれ」のメッセージを発するワニやライオンの姿が。こうした動物(他にパンダやイルカなどもあり)が描かれているのは遊歩道だからで、田森さんによると「金太郎と同じで、杉並オリジナルの暗渠サインなんですよ」とのこと。さてこのへんで、すぐ側の喫茶店にコーヒーでも飲みに行きましょうか。

桃園川暗渠散歩の休憩スポット、「珈琲あろうむ」。地域密着のホッとする喫茶店で、居心地良く過ごすことができます。

お店を切り盛りする増田眞代さん。1984年からカウンターに立つ3代目の店主です。お店に入って一息つくなり、「みなさんブレンドでいいかしら」とさっそく自慢の一杯に取り掛かってくださいました。

先ほどのカッパのオブジェの着せ替えは色々な人たちがやっていると聞いて驚くお三方。奥の壁に飾られた絵についてたずねると、月単位で店内をギャラリーとして無料で貸し出しているのだと教えてくれました。

せっかくの機会なのでお店の名物であるモーニングサービスもオーダー(普段は11時半までのメニュー。今回は取材用に特別につくっていただきました)。バタートースト、大盛りのスパゲティサラダ、ゆで卵、そしてコーヒーか紅茶がついて、600円也。美味しくて安い、うれしい一品です。

珈琲あろうむ
住所 杉並区高円寺南2-52-12
電話 03-3314-6609
営業時間 8:00~17:00
定休日 日曜

「珈琲あろうむ」で一休みしたあとは、さらに桃園川を西へ進みます。高円寺駅南口から延びる高南通りと交差するあたりに差し掛かると、吉村さんから「ちょっと待ってください!」と声がかかりました。

「杉並区が公開している古い記録映像にこの場所が映っているのです!」とのことで、取り出してくれたキャプチャ画像と照らし合わせます。桃園川が埋められて公園になったばかりの頃の映像で、昭和49年制作のもの。かれこれ40年以上も前ですが、奥の茶色い建物の外壁を見比べて「確かにここだ!」。

まだまだ先に向かいます。パル商店街とルック商店街が交わるところには宝橋という橋がかかっていました。その少し手前で立ち止まります。

すると、また吉村さんが古い新聞記事を見せてくれました。「杉並新聞」というかつて存在したローカル新聞の昭和38年の記事のコピーで、桃園川の同じ場所から見た風景の当時の様子が伺えます。まだ武蔵野の風景が色濃く残る高円寺がよくわかる、貴重な一枚。

桃園川緑道の旧宝橋付近にある杉並区管理の壁面には、アーティスト・岩切章悟さんによる作品が。もともと落書き対策として描かれたもので、田森さんもこのプロジェクトに携わったそう。そこにあるのは桃園川愛ですね。

※本記事に掲載している情報は2018年8月6日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。