1. 観る・歩く
  2. アサガヤギルド代表と阿佐ヶ谷のカルチャースポットを歩く

アサガヤギルド代表と阿佐ヶ谷のカルチャースポットを歩く

ここ数年、駅の北側を中心に新しいお店が続々とオープンし、風景が少しずつ変化している街・阿佐ヶ谷。中でも若い世代が営むミニシアターやギャラリー、カフェなどが増え、街に流れている文化的な空気も刷新されているように感じられます。そんな街の“今”を案内してくれるのは、アサガヤギルド代表の黒田将行さん。阿佐ヶ谷ご当地レトルトカレーの開発や商店街活性に尽力する一方、「信濃の国 原始感覚美術祭」などに出展するアーティストの顔も持ち合わせています。では、新しい阿佐ヶ谷を探しに出かけてみましょう。

黒田さんと巡った阿佐ヶ谷の一コマ。ユジク阿佐ヶ谷支配人の武井さん(左)と。

黒田さんと巡った阿佐ヶ谷の一コマ。ユジク阿佐ヶ谷支配人の武井さん(左)と。

阿佐ヶ谷有数の贅沢空間「ペンギンカフェ」

最初に訪れたのは、2015年12月にオープンしたばかりという「ペンギンカフェ」。旧中杉通り沿いの、駅から10分ほど歩いた場所にあります。窓が大きく陽の光が入る店内は、空間も広々と使っていて居心地が抜群。オススメは、サイフォンのまま提供されるコーヒー(680円)。通常の1杯半の分量があります。「長居は大歓迎」と店主の二羽さんも話すように、ゆっくり味わいながら過ごすのがベター。Wi-Fiも完備されているので、パソコン仕事をするにも最適なカフェです(この原稿もこちらで書かせていただきました)。

ヨーロッパの街角で出会えそうな、おしゃれな佇まい。

ヨーロッパの街角で出会えそうな、おしゃれな佇まい。

あえて席で埋めない内装設計にもこだわりが詰まっています。

あえて席で埋めない内装設計にもこだわりが詰まっています。

挽きたて、淹れたてのコーヒーを。「長く愛される店になりたいですね」と二羽さん。

挽きたて、淹れたてのコーヒーを。「長く愛される店になりたいですね」と二羽さん。

コーヒー好きの黒田さんも「阿佐ヶ谷でサイフォンコーヒーを飲める店は珍しい」と絶賛。

コーヒー好きの黒田さんも「阿佐ヶ谷でサイフォンコーヒーを飲める店は珍しい」と絶賛。

ペンギンカフェ
住所 杉並区阿佐谷北3-28-21
電話 03-5356-8494
営業時間 11:00~22:00
定休日 火曜

ラピュタ阿佐ヶ谷の姉妹館「ユジク阿佐ヶ谷」

続いて駅方面に戻り、住宅街を抜けて「ユジク阿佐ヶ谷」へ。常時5本程度の新作・準新作を中心として上映プログラムが組まれているミニシアターです。「洋画や若い監督の作品、アニメーションに力を入れています」と説明してくれたのは支配人の武井さん。ここは「ラピュタ阿佐ヶ谷」に比べて若い女性客が多いようですが、それは上映作品の内容に限らず、武井さんならではのセンスがいたるところに散りばめられているからでしょう。今後は中央線の様々なお店と連携するイベントなどにも力を入れていきたいそうです。

オレンジ色のひさしが目印。シアターは地下にあります。

オレンジ色のひさしが目印。シアターは地下にあります。

待合室では壁一面に映画チラシが飾られます。この向かい側に上映作品ごと描き換えられるという黒板が(本記事冒頭の写真参照)。

待合室では壁一面に映画チラシが飾られます。この向かい側に上映作品ごと描き換えられるという黒板が(本記事冒頭の写真参照)。

開館して1年足らず。阿佐ヶ谷を盛り上げましょうと語り合うおふたり。

開館して1年足らず。阿佐ヶ谷を盛り上げましょうと語り合うおふたり。

座席数は44。全席自由の入れ替え制です。

座席数は44。全席自由の入れ替え制です。

ユジク阿佐ヶ谷
住所 杉並区阿佐谷北2-12-19-B1
電話 03-5327-3725
営業時間 10:10受付スタート(イベントごとに変動あり)、23:00終了
定休日 年末年始(4/2~4/8は休館日)

クリエイティブな人々の溜まり場「パブリック」

再び、旧中杉通りへ。オープン3年目のカフェダイニング「パブリック」に向かいました。一歩入ると、細長い店内に本やCD、雑貨などがぎっしりと置かれる賑やかな様子が目に飛び込んできます。壁面の一部はアーティストやイラストレーターに無償で貸し出していて、アート方面に親しいお客さんが自然と集まってくるのだとか。貸し切りが15名からと手軽なため、パーティー利用が多いというのも納得の雰囲気です。いわゆるカフェ飯をいただいても満足度が高く、ランチにディナーに気軽に使いたいお店でもあります。

入口は通りから階段を少し上ったところにあります。

入口は通りから階段を少し上ったところにあります。

店内に入るとまるで居心地のよい友人の家に遊びに来たような感覚に。

店内に入るとまるで居心地のよい友人の家に遊びに来たような感覚に。

この日はランチに三元豚のグリル トムヤムソース(980円)をいただきました(通常はこの他にデリが3品つきます)。

この日はランチに三元豚のグリル トムヤムソース(980円)をいただきました(通常はこの他にデリが3品つきます)。

オーナーの伊藤さんご夫妻。おふたりの明るい人柄がお店を支えています。

オーナーの伊藤さんご夫妻。おふたりの明るい人柄がお店を支えています。

パブリック
住所 杉並区阿佐谷北1-27-7
電話 03-5356-8920
営業時間 12:00~23:30(フードL.O)
定休日 月曜、第1第3火曜

阿佐ヶ谷からアートシーンを変える「TAV GALLERY」

旧中杉通りから中杉通りに移動します。2年前にオープンした、現代アートを專門に扱う商業ギャラリー「TAV GALLERY」です。若きディレクターの佐藤さんは「阿佐ヶ谷はアートの業界から見たら僻地。でも一方で、阿佐ヶ谷は元々カウンターカルチャーが根付く街。そうした気概を持って中央に対峙していきたい」と話します。黒田さんも「こういうアグレッシブなギャラリーが阿佐ヶ谷にあるのはありがたい。あと2軒ぐらい同じようなギャラリーがあれば、阿佐ヶ谷も盛り上がるよね」とエールを送ります。

阿佐ヶ谷駅北口から徒歩4分。ガラス張りの外観が目印。

阿佐ヶ谷駅北口から徒歩4分。ガラス張りの外観が目印。

「阿佐ヶ谷のマダムが絵を買ってくれたりするんですよ」と意外な情報に黒田さんもびっくり。

「阿佐ヶ谷のマダムが絵を買ってくれたりするんですよ」と意外な情報に黒田さんもびっくり。

3回展示をしたら壁は塗り直すそう。「ギャラリー運営は意外と肉体労働」と佐藤さん。

3回展示をしたら壁は塗り直すそう。「ギャラリー運営は意外と肉体労働」と佐藤さん。

彫刻作品の展示の様子。大型の作品は中杉通りから見ても目立ちます。

彫刻作品の展示の様子。大型の作品は中杉通りから見ても目立ちます。

TAV GALLERY
住所 杉並区阿佐谷北1-31-2
電話 03-3330-6881
営業時間 11:00〜20:00
定休日 木曜

アートで街を循環させる「ギャラリー白線」

もう一箇所、ギャラリーを巡ります。駅の南側へ移動し、パールセンター商店街から小径に入った先にある「ギャラリー白線」です。絵画や立体だけなくワークショップや演劇なども積極的に行うスペースで、海外アーティストの招聘といったこともしばしばあるそう。オーナーは黒田さん曰く「阿佐ヶ谷で最もアーティストに優しい男」という斉藤さん。「中央線は中央線で完結してしまいがちだから、外の空気を持ち込みたい。同時に中央線のアートを外にも発信したい」と、このギャラリーの存在意義を静かに熱く語ってくれました。

日本語にこだわった屋号のロゴマークは斎藤さんの友人がデザイン。

日本語にこだわった屋号のロゴマークは斎藤さんの友人がデザイン。

見て欲しいものがあると、マニアックな海外漫画家の作品集を渡す斉藤さん(右)。

見て欲しいものがあると、マニアックな海外漫画家の作品集を渡す斉藤さん(右)。

かつて阿佐ヶ谷にあった、漫画家が集まる居酒屋「ラジオ屋」を偲ぶ展覧会なども企画されました。

かつて阿佐ヶ谷にあった、漫画家が集まる居酒屋「ラジオ屋」を偲ぶ展覧会なども企画されました。

ギャラリー白線
住所 杉並区阿佐谷南1-36-14 ハウス白鳥1F-B
電話 03-5913-9286
営業時間 企画展に準ずる
定休日 企画展に準ずる

カフェ、ミニシアター、ギャラリーなど、ここ数年阿佐ヶ谷に新たに誕生したスポットを巡ってきましたが、いかがでしたでしょうか。こうした切り口で阿佐ヶ谷を見渡すことは、実はそれほどなかったのではないかと思います。今回登場いただいた方は皆、それぞれの立場で阿佐ヶ谷をアピールできるキーマンばかり。まだまだ面白くなっていく予感をたくさん孕んだ阿佐ヶ谷。今回、そんな空気感を少しでも伝えることができたなら幸いです。